『 境界線 』


いつのころからだっただろうか。
学校の帰り道、大きな河川の土手で、一人の男がじっと空を見上げている。

私はいつも
――彼がそこにいることに気付いたその日からいつも――

そこで一度足を止めて、その視線の先にあるものを確かめるのだ。


なにがみえるのか。
なにをみているのか。

夕暮れの赤い空。沈みゆく夕日。

毎日の観察の末に気付いたこと。
それは、彼が見ているのは西の空、夕刻の空だという、それだけ。


なにをみているのだろう。
なにがみえるのだろう。



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